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弁護士法人リーガル・パートナー法律事務所(新潟県弁護士会所属)
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カスハラ

カスハラ

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?企業で問題になる理由

近年、ニュースやSNSで「カスハラ」という言葉を目にする機会が増えました。カスハラとは「カスタマーハラスメント」の略で、顧客が企業や従業員に対して、必要なクレーム対応の範囲を大きく超えて、過度な要求や威圧的な言動を行う行為をいいます。

本来、顧客からの問い合わせやクレームは、サービス向上のために欠かせない大切な意見です。しかし、度を越えた暴言、土下座の強要、営業時間外の執拗な電話・メール、SNSでの一方的な誹謗中傷などは、もはや「正当なクレーム」とは言えません。従業員の精神的負担を著しく増大させ、企業全体の運営にも悪影響を及ぼす「ハラスメント行為」です。

例えば、飲食店で料理の提供が少し遅れたことを理由に、従業員に長時間怒鳴り続けたり、「SNSで店の悪評を書き込むぞ」と脅して無理な値引きやサービスを要求するケースが典型的です。対応した従業員は「仕事だから我慢しなければ」と思い込んでしまいがちですが、行き過ぎた言動はサービスの範囲を超えており、法的にみても不当な行為となり得ます。

カスハラは、働く人のメンタルヘルスを損なうだけにとどまりません。担当者の退職や休職による人材流出・採用コストの増加、他の顧客への対応が滞ることによる機会損失、トラブルがSNS等で拡散されることによる企業イメージの低下など、企業全体のリスクにつながります。そのため、カスハラは「現場の担当者の問題」ではなく、企業法務・人事労務・コンプライアンスの観点から、組織として向き合うべき重要な課題なのです。

カスハラが起きたときの企業の対応と、弁護士ができるサポート

実際にカスハラと思われる言動が起きたとき、まず大切なのは「担当者ひとりで抱え込まない仕組み」をつくることです。「自分の説明が悪かったのかもしれない」と一人で耐え続けてしまうと、心身の負担が限界を超えてしまいます。
企業としては、

  • 一定時間を超える長時間のクレーム対応
  • 暴言や人格否定、脅迫めいた発言
  • 業務に支障をきたすほどの頻繁な電話やメール

といった場面が出てきたら、担当者の判断で抱え込ませず、必ず上司や専門部署にエスカレーションするルールを定めておくことが重要です。
同時に、「いつ、誰から、どのような言動があったのか」「それに対してどう対応したのか」を、メモ・メール・チャット・録音などの形で記録しておきましょう。これらは、後に対応方針を検討したり、法的措置を取る際の重要な証拠となります。

弁護士がサポートできる場面としては、まず、カスハラ行為が違法行為に該当する可能性がある場合に、「行為の中止」や「執拗な連絡の禁止」を求める内容証明郵便の送付が挙げられます。内容証明郵便とは、「いつ・誰が・誰に・どのような内容を送ったか」を郵便局が証明してくれる制度で、通常の手紙よりも強い警告の意味を持ち、相手方の行動を抑止する効果が期待できます。

それでも行為が続くような悪質なケースでは、弁護士が代理人として相手方と交渉したり、警察への相談、損害賠償請求の検討など、より踏み込んだ対応を行うことも可能です。現場の従業員が直接相手とやり取りしなくて済むようにすることで、精神的負担を大幅に軽減できます。

また、「どこまでが正当なクレームで、どこからがカスハラに当たるのか」という線引きは、現場だけでは判断が難しいことも多いものです。企業法務に詳しい弁護士が関与することで、法的な基準に基づいた判断と、企業全体で統一した対応方針の整備が可能になります。

カスハラを防ぐための社内体制づくりとルール整備

カスハラは、発生してから対応するだけでは不十分であり、「起きにくい社内体制」を整えておくことが極めて重要です。その中心となるのが、社内ルールとマニュアルの整備です。
まず、就業規則やハラスメント規程とあわせて、カスハラ対策マニュアルを作成しましょう。そこでは、

  • どのような言動がカスハラに該当し得るのか
  • 従業員はどこまで対応し、それ以上はどのタイミングで上司に引き継ぐのか
  • 長時間対応や暴言があった場合の報告・記録方法

などを具体的に定めておきます。「長時間の電話応対は○分を目安に一度上司へ相談する」「暴力・暴言があった場合は対応を打ち切り、上司または本部が引き継ぐ」といった基準を明文化しておくことで、現場の迷いを減らすことができます。
さらに、店舗やWebサイト、利用規約などで「当社従業員に対する暴言・威圧的な言動には応じません」といった企業としての基本姿勢を明示しておくことも、抑止力として有効です。顧客側に対しても、「この会社は従業員を守る方針を持っている」というメッセージを発信することができます。

加えて、従業員への研修も欠かせません。カスハラの具体例や、実際に起こり得る場面を題材にロールプレイを行うことで、「どのように対応し、どの時点でエスカレーションすべきか」を体感的に理解してもらうことができます。また、「自分の対応が悪かったのではないか」と必要以上に自責的になってしまう従業員に対して、心理的フォローの仕組みを用意することも大切です。

これらのマニュアル・規程・研修は、企業法務に精通した弁護士が関与することで、法的リスクを踏まえたバランスのよい内容にブラッシュアップできます。「従業員を守りつつ、企業としても適切な範囲で顧客対応を行う」という観点から、実務に即した体制づくりを進めることができます。

カスハラ問題を弁護士に相談・依頼するメリット

カスハラ問題を弁護士に相談・依頼するメリットは、大きく分けて「従業員の保護」と「企業リスクのコントロール」の二つです。

第一に、現場の従業員が「自分だけで対応しなければならない」という状態から解放されます。顧客との連絡窓口を弁護士が担うことで、従業員は通常業務に専念でき、メンタルヘルス不調や退職のリスクを低減できます。「何かあれば弁護士に相談できる」という安心感は、従業員にとって非常に大きな支えになります。

第二に、企業としての対応が「やり過ぎ」にならないよう、法的リスクを適切にコントロールできます。カスハラを理由にサービス提供をお断りしたり、出入り禁止措置を検討する場合でも、その対応が不適切だと、逆にトラブルが拡大したり、法的責任を問われるおそれがあります。企業法務に慣れた弁護士であれば、就業規則や社内規程との整合性も踏まえながら、適法かつ実務的な対応方法を提案することができます。

また、スポットでの相談だけでなく、顧問弁護士として継続的に関与することで、日常的なクレーム対応や労務問題なども含めて、総合的な企業法務サポートを受けることが可能です。「これは単なるクレームとして受け止めるべきか、それともカスハラとして線を引くべきか」といったグレーゾーンの判断を、その都度相談できる体制は、経営者やご担当者の大きな負担軽減につながります。

カスハラは今後も社会問題としてクローズアップされることが予想されます。早めに弁護士と連携し、社内体制の整備や個別案件への対応方針を準備しておくことが、企業の安定した経営を守るうえで非常に重要です。

カスハラに悩む企業が今すぐできる対策とご相談の流れ

最後に、すでにカスハラに悩んでいる企業・ご担当者の方に向けて、「今すぐできる対策」と「弁護士への相談の流れ」をご紹介します。
まずは、現在発生しているカスハラと思われる事案について、次の点を意識して整理してみてください。

  • いつ、どのような経路(電話・メール・来店など)で連絡があったか
  • 相手方がどのような言動・要求をしたのか
  • 担当者がどのように対応し、その結果どうなったのか
  • メールやチャット履歴、録音データ、防犯カメラ映像など、残っている証拠の有無

これらを簡単なメモでも構いませんので時系列でまとめておくと、弁護士に相談する際にスムーズです。同時に、対応にあたった従業員の心身の状態も確認し、必要に応じて配置転換や休養、産業医面談などのケアも検討しましょう。
弁護士へのご相談の流れとしては、一般的には

  1. 電話やお問い合わせフォームからのご連絡
  2. 事案の概要やお困りの点のヒアリング
  3. 面談(対面またはオンライン)による詳細な事情聴取
  4. 今後の対応方針と、必要に応じた費用のご説明

というステップになります。

当事務所でも、カスハラに関するご相談を企業法務・人事労務の経験を踏まえてお受けしています。「これはカスハラといえるのか」「この先、どのようなトラブルが想定されるのか」「就業規則や社内マニュアルをどう整備すべきか」といった点も含め、御社の状況に合わせて丁寧にアドバイスいたします。
カスハラでお悩みの企業様・ご担当者様は、どうぞお気軽にご相談ください。従業員と企業の双方を守るために、今できる現実的な対策を一緒に考えていきましょう。

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