新潟の弁護士による企業労務相談

弁護士法人リーガル・パートナー法律事務所(新潟県弁護士会所属)
お問い合わせはこちらから
電話アイコン025-250-1760

休職・復職を繰り返す社員

休職・復職を繰り返す社員

メンタル不調や病気などを理由に「休職と復職を何度も行き来する社員」がいると、現場の負担や人事担当者の悩みはとても大きくなります。「また休職になった」「いつまで待てばよいのか」と感じつつも、安易に退職させることはできないため、対応に行き詰まってご相談いただくケースが増えています。
 
本コラムでは、企業側の視点から、休職・復職を繰り返す社員とはどのような状態か、そのまま放置するリスク、具体的な対応方法、そして弁護士に依頼するメリットを、法律に詳しくない方にも分かりやすく解説します。

休職・復職を繰り返す社員とは?

「休職」とは、社員が病気やけが、メンタル不調などの理由で長期間働けなくなったときに、雇用関係は維持したまま仕事を休ませる制度のことです。多くの会社では就業規則(会社のルールをまとめたもの)に、私傷病休職の制度や休職期間の上限が定められています。
 
「復職」とは、休職していた社員が再び職場に戻ることです。医師の診断書で「就労可能」などとされ、会社が復職を認めれば、通常勤務や短時間勤務などの形で仕事に戻っていきます。
 
問題になるのは、復職後まもなく体調を崩し、再び欠勤が続いて再休職になるケースです。例えば、うつ病で数か月休職したあと復職したものの、1〜2か月で再び出社できなくなり、また休職になるといったパターンです。こうした状態が長期化すると、本人だけでなく職場全体への影響が大きくなります。
 
一見すると「真面目に働く気がないのでは」と感じてしまうこともありますが、実際には、業務量や人間関係、本人の病状、家庭事情など、様々な要素が絡み合っていることが多く、慎重な対応が必要です。

休職・復職を繰り返す社員を放置するリスク

「解雇するのはハードルが高そうだから、とりあえず様子を見よう」と先送りにしてしまうと、会社にとって大きなリスクになります。
 
まず、現場の負担増です。本来業務を担うはずの社員が抜けたり戻ったりを繰り返すと、他の社員で穴埋めをしなければならず、残業やストレスが増えます。その結果、周囲の社員までメンタル不調になったり、離職につながったりするおそれがあります。
 
次に、人件費や採用コストの問題です。休職中であっても、社会保険料の会社負担など一定のコストはかかります。また、「いつ辞めるか分からないから代わりの人を採用しづらい」「引き継ぎが進まず、組織としてのノウハウがたまらない」といった非金銭的な損失も無視できません。
 
さらに、法的なリスクもあります。例えば、

医師が「まだ復職できる状態ではない」と判断しているのに、無理に復職させて症状を悪化させた場合、会社が安全配慮義務違反(社員の安全と健康に配慮する義務)を問われ、損害賠償請求を受ける可能性があります。

  • 逆に、医師が「復職可能」と診断しているにもかかわらず、会社が漫然と復職を認めない場合、不当な復職拒否としてトラブルになるおそれもあります。
  • 休職期間満了前に安易に解雇した場合、解雇無効と判断され、賃金の支払いを命じられるケースもあります。

「かわいそうだから」「穏便に済ませたいから」といった理由で明確なルールを作らず、場当たり的に対応していると、かえって紛争の火種を抱え込む結果になりかねません。

休職・復職を繰り返す社員への対応

対応の第一歩は、「ルールを明確にすること」です。就業規則の休職規定や復職の判断基準があいまいだと、ケースごとに判断が揺れ、社員からも「待遇が不公平だ」と受け止められやすくなります。
 
少なくとも、次のようなポイントは整理しておきたいところです。

  • 私傷病休職の開始要件(どの程度欠勤が続いたら休職に切り替えるのか)
  • 休職期間の上限と、その間に複数回休職した場合に通算するのかどうか
  • 復職のために必要な書類(主治医の診断書、産業医の意見書など)
  • 「復職可能」と判断するための基準(元の部署で通常勤務ができることが必要なのか、軽い業務からのスタートでも良いのか)
  • 試し出勤やリハビリ勤務(短時間勤務、業務量を抑えた勤務)を設けるかどうか

実務では、医師の診断書をそのまま鵜呑みにするのではなく、産業医や人事担当者との面談等を通じて、業務内容や職場環境を踏まえたうえで復職の可否を「医学的」観点を踏まえて判断することが重要です。特にメンタルヘルス不調の場合、本人は「もう大丈夫」と感じていても、実際にフルタイム勤務を続けると再発してしまうことが少なくありません。
 
また、「復職した直後に再び欠勤が続いた場合には、前回の休職期間と通算して扱う」といったルールをあらかじめ就業規則に規定しておくことで、休職・復職を繰り返す状態をダラダラと続けない工夫も可能です。
 
もっとも、休職・復職を繰り返しているからといって、すぐに解雇できるわけではありません。実務上は、配置転換・業務軽減などの配慮を尽くしてもなお就労が困難であること事情がないかといったこともケースによっては検討が必要であり、最終的には個別の事情を踏まえた慎重な判断が求められます。

弁護士に依頼するメリット

休職・復職を繰り返す社員への対応は、表面的には似たケースでも、背景事情やこれまでの会社の対応、就業規則の内容などによって、取るべき方針が大きく変わります。インターネット上の一般的な情報だけを頼りに自己流で進めてしまうと、「解雇のタイミングを誤った」「丁寧に対応したつもりが、かえって会社に不利な証拠を残してしまった」といった結果になりかねません。
 
労務問題に詳しい弁護士にご相談いただくことで、

  • 自社の就業規則や休職制度の問題点を洗い出し、ルールを分かりやすく整備できる
  • 診断書の意味合いやリスクを踏まえて、復職させるかどうか、解雇等を検討できるかどうかを具体的にアドバイスしてもらえる
  • 本人との面談や書面のやり取りについて、トラブルを最小限に抑える形を一緒に考えてもらえる

といったメリットがあります。
 
「厳しく対応したいわけではないが、会社としての線は引かざるを得ない」「他の社員とのバランスも考えると、いつまでも特別扱いはできない」と悩まれている経営者・人事担当者の方は多くいらっしゃいます。
 
当事務所では、企業側の立場から、休職・復職を繰り返す社員への対応方針の検討、就業規則の見直し、個別案件の交渉・紛争対応まで一貫してサポートしています。
 
「このまま放置して大丈夫なのか」「どのタイミングでどこまで踏み込んでよいのか」など、少しでも不安を感じておられる場合は、ぜひ一度、企業法務に注力する弁護士にご相談ください。早い段階で適切な方針を固めることが、会社と社員の双方にとって最も穏当な解決につながります。

CONTACT

サービス内容に関するご質問やご不明な点などがありましたら、
こちらよりお問い合わせください。